【徹底解説!】中国人の帰化申請で必要になる書類について

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中国人の方で、日本に長く住まれている方の中には帰化を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。帰化をすれば在留カードの更新手続きは不要になり、選挙権も与えられ、仕事もより自由に選ぶことができます。本編では、中国人の方で帰化申請を検討されている方に向けて、申請時に必要になる書類をご説明したく思います。

帰化の要件

まず、帰化の要件を確認してみましょう。帰化には10のパターンがあります。さらに、抑えるべきポイントは7つあります。ここでは簡単に説明していきます。

普通帰化の要件

通常の帰化の要件は下記になります。まず、大前提として満たすべき要件があります。

普通帰化 18歳以上で5年以上日本で住んでいる(うち、3年は就労ビザで働いている)

さらに、ここから(住居要件も含めて)7つの審査されるポイント(要件)があります。

普通帰化の7つのポイント
住居要件:継続して5年以上日本に住所があること
能力要件:18歳以上で本国法によって能力を有すること
素行要件:素行が善良であること(税金や年金をきちんと収めて、交通違反や犯罪もおかしていないこと等)
生計要件:本人又は生計を一にする配偶者やその他の親族の資産や仕事によって安定して生活を送れること
喪失要件:日本国籍取得によって、母国の国籍を失えることができること。もしくは無国籍者
思想関係:日本政府を攻撃するような思想を持っていたり団体に属していないこと
日本語能力:日本で生活する程度で困らない以上の日本語能力があること

通常の帰化許可申請の場合、審査されるポイントは上記の7点になります。必要書類は、これらのポイントを満たしていることを証明するために添付していくイメージになります。

簡易帰化の要件

在日であったり、日本に長く住んでいたり、家族に(元)日本人がいる場合は、帰化の要件が一部緩和されます。例えば、下記の場合が該当します。<簡易帰化>と呼ばれていますが、決して「簡単に帰化できる」という意味ではありません。書類もしっかり集める必要があります。

①日本人あった者の子供で、引き続き3年以上日本に住所または居所を有する者
②日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれた者
③引き続き十年以上日本に居所を有する者
④日本国民の配偶者(妻・夫)であって、引き続き3年以上日本に住所または居所を有し、かつ、現に日本に住所を有する者
⑤日本国民の配偶者(妻・夫)であって、婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する者
⑥日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有する者
⑦日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつた者
⑧日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有する者
⑨日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有する者

簡易帰化

中国人の方の帰化申請の必要書類の集め必要書類リスト

必要な書類には自分で記入をする書類日本で収集する書類外国で収集する書類があります。内容としては、資産や収入を証明する書類国籍や身分を証明する書類に分類できます。いずれも1〜2通必要です。(原本のものは1通、自分で作成する書類は2通提出します。)
※一般的な必要な書類を挙げていきます。下記を完璧に集めたとしても「書類が足りない」と言われることもあるので参考程度にしてください。

母国(中国)で集める書類について

中国人の方が中国で取得する書類は、国籍や身分を証明する書類です。下記の書類は、全て日本語訳が必要です。翻訳は誰がしても大丈夫ですが、翻訳者の住所・使命及び翻訳年月日の記載は必要です。
また書類は、国籍証明書は中国大使館・領事館で取得します。また、その他の公証書は公証処で入手します。

書類の種類取得場所
国籍証明書中国大使館・領事館
(日本)
出生公証書(本人)公証処
(中国)
結婚公証書(本人・父母)
※日本人と結婚された方で日本で先に結婚の手続きをした場合は、
戸籍謄本を提出します。
公証処
(中国)
離婚公証書(本人・父母)
※離婚している場合
公証処
(中国)
死亡公証書
※父又は母が亡くなっている場合
公証処
(中国)
親族関係公証書(本人・父母・兄弟姉妹が記載されているもの)公証処
(中国)

※国籍証明書は準備段階で用意しておき、申請中に許可の見込みが高くなったら喪失の手続きをするように法務局から連絡があります。手続きが完了したら、中国国籍は喪失します。

日本で集める書類について

日本で集める書類は、資産や収入を証明する書類が中心となってきます。また、日本で取得する身分関係の書類も一部あります。

書類の名前取得場所
パスポートのコピー(出入国履歴があるページ全て)
在留カードのコピー(表・裏)
住民票の写し(世帯全員分)お住まいの市区町村の役所
在勤・給与証明書 / 在学証明書勤務先 / 学校
源泉徴収票勤務先
源泉徴収簿の写し勤務先
源泉徴収税の納付書及び領収書の写し勤務先
確定申告書の写し(対象者)(税務署)
最新年度の住民税の納税証明書(1年分)お住まいの市区町村の役所
最新年度の住民税の課税証明書(1年分)お住まいの市区町村の役所
厚生年金保険料納入告知額・領収済額通知書
又は社会保険料納入確認書(1年分) / 国民年金記録の写し
年金事務所
運転記録証明書(過去5年分)自動車安全運転センター
自動車運転免許証の写し(表・裏)
卒業証書の写し・卒業証明書学校
土地・家屋登記事項証明書、賃貸借契約書の写し
預貯金通帳の写し
・日本の戸籍謄本 ※1
・戸籍届出書記載事項証明書 ※2
(※家族に日本人がいる場合、状態によって必要な書類が変わってきます)
本籍地の市町村役場

※1 父母や子供、兄弟、配偶者(婚約者)等の家族に日本人がいる場合は、その人の戸籍謄本が必要です。よう父母や内縁・前配偶者、元日本人の方も含みます。
※2 出生届、死亡届、婚姻届、離婚届、その他(養子縁組、認知届、親権を証明する書面・裁判書)で該当するものがあれば準備をします。

自分で作成する書類について

自分で作成する書類は以下になります。

  • 帰化許可申請書
  • 親族の概要
  • 履歴書(その1)(その2)
  • 帰化の動機書
  • 整形の概要(その1)(その2)
  • 事業の概要(会社を経営されている人)
  • 居宅附近の略図等(3年分)
  • 勤務先附近の略図等(3年分)
  • 申述書(主に両親が作成)

帰化で必要になる書類は人それぞれ

上記のように帰化には10のパターンがあり、抑えるポイントもそれぞれの類型によって変わってきます。そのため、準備しなければならない書類は人それぞれです。また、職業や年齢によっても必要な種類は変わってきます。

そのため、本やホームページを見ながら書類を集めたとしても、いざ申請しようと思っていても、法務局で指摘をされ収集し直しとなることも多くあります。最近では人口の多い都市での法務局の場合は、相談の予約も取りにくく、またやり直しを何度もしていると申請までに半年〜1年かかることも普通です。
なるべく早く申請したい方は、初めから専門家に依頼をするか、帰化を思い立ったら法務局にすぐに相談に行くかされることをお勧めいたします。

まとめ

以上、中国人の方の帰化許可申請で必要になる書類についてご説明致しました。
中国人の方は、母国から取り寄せる書類があります。出生公証書や結婚公証書は公証処で、国籍証明書は忠告大使館・領事館で取得をします。そのほかの書類は、日本で集めることができます。また、自分で作成する書類もあります。帰化許可申請は、すべての書類が完璧に揃わなければ受理してもらえないので、準備は丁寧に行いましょう。

【行政書士からのアドバイス】
帰化の要件はなかなか分かりづらく、書類も多くて大変ですよね。特に中国籍の方は国籍喪失ののタイミングなど悩むポイントも多いと思います。
中には法務局に何度も通う時間が無い!という方もいらっしゃると思います。その場合は、専門家に相談することでスムーズな申請が可能になると思います。

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