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海外で出産した場合、子どもの国籍はどうなる?

海外で出産

海外に生活拠点がある日本人と外国人の夫婦(・カップル)や、子どもを出産する際に国をまたいで里帰り出産を行う場合、国籍はどうなるのでしょうか?これは、両方の国の法律が深く絡んできます。本編では、子どもに日本国籍を取得させたい場合の手続きについて解説いたします。

国籍法について(血統主義、生地主義、重国籍禁止)

「海外で出産した場合」の国籍について説明する前に、少し前提となる法律について解説致します。

血統主義と生地主義

各国の国籍法は、生来的国籍取得について、大きく分けて血統主義と生地主義に分類されます。
血統主義とは、法理地上の親子関係により子が親と同一の国籍を取得するものです。一方の生地主義とは、親の国籍に関わりなく、子が出生地国の国籍を取得するというものです。

日本では、日本は血統主義を採用しています。(父母がしれない時等に、一部、補完的に生地主義も採用しています)
つまり日本では、基本的には親子関係を基礎としていて、父又は母が日本人であるならば、出生地が国土内であろうとなかろうと、子には日本国籍をあたえるルールになっています。
生地主義を採用している代表的な国としては、アメリカ、アルゼンチン、フランス、ブラジル等があります。

重国籍について

重国籍とは、個人が同時に2以上の国籍を有することです。重国籍となる場合には2つの場合があります。
まずひとつに、血統主義国を採用する異なる国の国民同士の父母の間に生まれた子ども、または、日本人の子が生地主義国で出征し、日本国籍を留保した場合も該当します。

しかし基本的には、重国籍は認められていません。日本の国籍法では、この重国籍を防止するために様々な措置を取っています。日本国籍を選択する場合は外国籍は失うことになり、又逆に外国籍を選択する場合は、日本国籍を失うことになります。

また、外国で生まれた子どもは、日本国籍留保の手続きをしなければ出生の時に遡って日本国籍を喪失するとしています。つまり、日本人と外国人の間にうまれた子どもは、日本で生まれた場合は「外国籍を選択しなければ」出生届によって日本人となり、外国で生まれた場合は「日本国籍留保の手続き」をしなければ日本国籍を失うことになります。

「国籍留保」について

第十二条 出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれたものは、戸籍法の定めるところにより日本の国籍を留保する意思を示さなければ、その出生の時に遡って日本の国籍を失う。

国籍法 第十二条

国外で生まれた場合、日本国籍を留保するためには、「国籍留保の届け出」を提出しその意思表示をする必要があります。「国籍留保の届け出」を出す場合は、外国で生まれて外国の国籍を取得し、日本国籍を有する場合になります。
出生の日から3ヶ月以内に出生届とともに提出する必要があります。提出先は、本籍地もしくは届け出人の所在地ですが、海外にいる場合はその国に駐在する日本の大使、公使、又は領事に届け出することになります。

国籍を留保した人は、22歳になるまでの間に「国籍を選択」することになります。

第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
 2 日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。

国籍法 第十四条

親が「国籍留保の届け出」をして、子どもが大きくなったら自らの意思で「国籍」を選択することになります。

もし、「国籍留保」の届け出をしなかった場合はどうなる?

国籍留保の届け出を提出していない場合

国籍留保の届出を予め提出しない場合もあると思います。例えば、「うっかり」出さなかったり、「留保するまでもない」といったケースなどがあります。
誰しもうっかりはあるものです。うっかりでなかったとしても、親としては外国籍を選択するつもりで、「留保するまでもない」場合も想定されます。しかし、父母のどちらかが日本人の場合、やはり日本と縁もゆかりもあります。大きくなった場合に「やはり、日本人になりたい!」と思った場合は、届け出をすることで日本国籍を取得することができる可能性があります。

第十七条 第十二条の規定により日本の国籍を失つた者で二十歳未満のものは、日本に住所を有するときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。
 2 (省略)
 3 前二項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

国籍法 第十七条

とは言え、留保をしてもそうでなくても、結局のところ「日本国籍を選択できる」という解釈は少し違っているので注意をして下さい・「国籍留保」の届け出をしていた場合は、国籍の選択を忘れていた場合も催告がありますが、不留保の場合はそれはありません。加えて、取得をする時点で日本に住所を有している必要があります。
先のことは分からないので、「国籍留保」の届け出は出生届と一緒に出しておくほうが無難ですね。

参考:法務省HP「国際結婚,海外での出生等に関する戸籍Q&A

国籍選択をしなかった場合

選択をしなければ、日本国籍は喪失します。
国籍選択の催告については、住所が不明の場合はその催告が直接届かない場合があります。
「本当は日本国籍を選択したかったのに!」という方の救済措置が国籍法17条に書かれています。以下が根拠と成法律となります。参考にしてください。

第十七条
 2 第十五条第二項の規定による催告を受けて同条第三項の規定により日本の国籍を失つた者は、第五条第一項第五号に掲げる条件を備えるときは、日本の国籍を失つたことを知つた時から一年以内に法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。ただし、天災その他その者の責めに帰することができない事由によつてその期間内に届け出ることができないときは、その期間は、これをすることができるに至つた時から一月とする。 
 3 前二項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

国籍法 第十七条

国籍を失ったことを知った時から1年以内に法務大臣に「国籍取得届」を届け出ましょう。
もし、それすらもせず、日本国籍を取得したい場合は帰化申請をすることになります。

まとめ

以上、海外で出産した場合の国籍についてご説明いたしました。
海外で出産した場合、母または父が日本人の場合は「国籍留保」の届け出をすることで日本国籍を失わずに済みます。これは、3ヶ月以内に出生届と一緒に提出します。これを出さない場合は、出生の時から日本国籍を失うことになります。また、国籍が留保された子どもは20歳前後(もちろんその前でも可)に国籍を選択することで日本国籍を取得することができます。

帰化の要件-徹底解説

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東京都行政書士会所属 行政書士(登録番号:20080167) クライアントの視点を第一に、明るい笑顔と前向きな心を大切に日々業務に取り組んでおります。 <経歴> 2011年 立教大学経営学部卒業 2011〜19年 都内の菓子メーカーにて営業職として勤務 2019年 都内の行政書士事務所にて勤務 2020年 行政書士登録 2020年8月 ネクステップ行政書士事務所 開業