
今現在、日本国籍でないことを周りに知らせておらず、またできればバレたくないと思われている方もいらっしゃると思います。実は、日本にはそのような方はある程度いらっしゃいます。帰化許可申請をすることでまわりにばれるリスクを気にされている方に向けて、「申請中」・「帰化後」についてのリスクを説明していきます。
帰化申請の許可までのながれについて

まず、帰化申請の基本的な流れを説明します。
帰化すること/したことを周りに知られるとすると、以下のタイミングが考えられます。
- 帰化申請の準備中
- 帰化申請の後
まずは、帰化申請の流れを確認してどういった場面でまわりに知られる可能性があるかを確認してみましょう。

「帰化をしよう!」と思ったら、まず法務局に相談にいきます。
帰化は例え日本で生まれ育ち日本語が話せない方であったとしても、当然に許可されるものではなく、例外なく申請手続きの流れを沿うことになります。法務局での相談で、帰化の要件を満たしているか、また、帰化に必要な書類について教えてもらいます。
法務省HPのページを見ても非常にシンプルで、何をどうしたらいいかは一切書かれていません。ちなみに、「帰化許可申請書」の見本が掲載されていますが、帰化申請の場合は「申請書」1枚提出すれば済むような話ではありません。大量の書類の準備をしなければなりません。その準備のために法務局へ相談に行くことになります。
法務局は、お住まいのエリアを管轄するところに行きます。
帰化の希望者はかなり多く、都市部の法務局は予約を取るのに1〜2ヶ月かかることもあります。
法務局では、まずあなたが帰化の要件を満たしているかのヒアリングを行い、集めなければならない書類を教えてもらえます。
帰化申請は、ビザの申請と異なり法務局の相談員の方と相談を何度も相談を行います。
基本的に、「許可の見込みがある人」だけが「申請」することになります。書類の準備が完了し申請が受理されると審査期間に入り、その後1年程度で結果が出ます。
帰化申請をしていることが会社にばれることはない!?

帰化申請を検討されている方の中には、普段から通称名を使用し「日本人」として働かれている方もいらっしゃると思います。特に職場には日本人でないことを隠している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
帰化申請をする場合、どうしても会社に協力をお願いしなければならないポイントが出てきてしまいます。
- 法務局に通うための休暇の取得
- 在勤及び給与証明書の取得
- 帰化許可申請後の審査期間中の法務局から会社への架電調査
まず①ですが、先ほども説明したように、平日に休みを取り法務局に何度も通う必要があります。有給に理解のない会社に勤めている場合、「帰化申請手続き中」を告げないことで不審に思われる可能性があります。これはうまくやり過ごせば問題ありませんが、帰化申請の手続きの最中であることを会社の人に知られてしまうリスクの1つになるかもしれません。
次に②については、「在勤及び給与証明書」の記入を会社に依頼することに抵抗のある方については、提出が不要です。代わりに、会社の給与明細書(直近1ヶ月分)と社員証の写しを提出すればよいことになっています。
そして③の架電調査に関してですが、架電調査は必ずしも行われるものではありません。
会社に対しての架電調査は在籍確認の意味合いも強い為、多くのことは聞かれないことが多いです。
もし、架電調査が入った後に、会社の方から何かを聞かれたら「ローンを組むことを検討していて、その在籍確認である」と答えれば、たいていは納得されるはずです。
ローン審査中の在籍確認はよくあることですので、会社の方も慣れていると思います。
大事なことは、申請時・面接時に「日本国籍でないことを周りに隠している」ことをはっきり伝えましょう。実は、帰化申請を検討される方の中には、このような方は少なくありません。法務局も考慮をして下さいます。
そうすれば②③については、「会社にばれること」の心配は不要です。
帰化したことが周りにばれるのは嫌だ

帰化したことの記録は、「戸籍」に載ります。つまり、戸籍謄本を確認すれば、帰化したかどうかが分かります。そのため、完全にばれない方法はありません。
ただし、バレにくくする方法はあります。
- 戸籍の転籍の手続きをする
- 戸籍の分籍の手続きをする
戸籍謄本の帰化の事実は、何らかの方法で本籍地を変更すれば、記載されなくなります。
転籍の手続きの場合は、例えば家族全員で本籍地を変えることになります。また、分籍の場合は1人だけ戸籍を切り離して戸籍を新たに戸籍を編纂することになります。
いずれの方法も、戸籍をさかのぼれば「帰化の事実」は分かりますが、分かりにくくなるのは確かです。ただし、一度本籍を変更するともとには戻せないので注意してください。
まとめ

以上、帰化が周りにばれるリスクがあるかどうかを説明致しました。
申請後の審査中は、法務局から実態調査(訪問・架電調査)がある場合があります。帰化を検討している方の中には隠している方も多い為、法務局の方はそのような方への配慮をした対応を行ってもらえます。そのため、申請時・面談時にはっきりとその旨を伝えるようにしましょう。
また、帰化後は戸籍に帰化の事実は載りますが、さらに転籍や分籍をすれば新しい戸籍謄本には載りません。ただし、分かりにくくなる程度で絶対にばれないわけではありません。