家族全員で帰化申請をするための要件は?

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帰化申請をする場合、家族全員でするべき!?要件が緩和される、書類が省略されると聞いたけど本当!?と当事務所にもよく質問をいただきます。
家族で申請をする場合であっても、1人が許可されれば全員が許可されるわけではありません。1人1人問題が無いか確認をする必要があります。その際、1人が日本人になることで家族の要件が緩和される場合があります。本編では、家族全員で帰化許可申請をする際の要件について解説致します。

家族で帰化申請をするためのポイント

帰化するということ

帰化許可申請は「日本人」になることを意味しています。日本では二重国籍は認められないため、帰化をしたら母国の国籍を喪失しなければなりません。つまり、母国に帰ると「外国人」となります。まずはこのことを理解する必要があります。

日本は血統主義を採用しているため、日本人の子どもは日本人の国籍を取得(もしくは選択)します。また、日本において外国人ではなくなるため、在留資格制度に拘束されることなく日本で生活できるようになります。
一方で、国(母国)次第では一度外国人になってしまうと簡単に帰国(定住)できなくなる場合もあります。老後に母国に帰りたいと思われている場合には、永住者を目指されたほうがよいとも言えます。

家族全員で帰化する場合、帰化許可申請が許可され1人が日本人になることで家族の要件が緩和される場合があります。また、その要件の緩和の内容も異なるため1人1人で確認が必要です。

逆に家族全員で帰化申請をしなくてもよい?

帰化申請は、必ずしも家族全員で申請を行う必要はありません。基本的には、申請者の人が帰化の要件を満たしていれば、個人でも家族でも帰化申請は問題なく行えます。ただし、日本にいる家族でそのうちの一部の人だけが申請する場合は、その理由を聞かれることがほとんどです。家族の状況など合理的な理由が無いと、「本当に日本に定住する気があるのか。日本人としてこの先日本で生活をするのか」疑われるきっかけにもなるため注意が必要です。

家族それぞれに必要な帰化の要件

帰化許可申請の場合、「日本人」の家族は通常よりも要件が緩和されます。
家族で帰化申請をする場合、帰化申請時点では要件を満たしていない場合でも、1人が許可されて「日本人」となることで、全員が帰化するために必要な要件を満たす可能性があります。
よくある家族の帰化申請のパターンとしては、(仕事などのために入国し日本での生活が長くなった人の場合に多い)普通帰化(国籍法5条)の要件を1人満たす人がいて、その妻や夫である配偶者と、子どもも帰化するパターンがあります。この1人普通帰化で許可される人をここでは【本体者】と呼びます。

本体者

本体者が満たす必要がある要件
①住居要件 継続して5年以上日本に住所があること
能力要件:20歳以上で本国法によって能力を有すること
素行要件:素行が善良であること(税金や年金をきちんと収めて、交通違反や犯罪をおかしていないこと等)
生計要件:本人又は生計を一にする配偶者やその他の親族の資産や仕事によって安定して生活を送れること
喪失要件:日本国籍取得によって、母国の国籍を失えることができること。もしくは無国籍者
思想関係:日本政府を攻撃するような思想を持っていたり団体に属していないこと
日本語能力:日本で生活する程度で困らない以上の日本語能力があること

外国で生まれで例えば留学生でそのまま日本で就職した方や、日本に働きに来られた方などの場合などの方の多くは、上記の要件(普通帰化の要件)を満たす必要があります。これは国籍法第5条に定められている内容です。

基本的に日本で真面目に生活していることが求められますが、年金などに未納があっては帰化できません。また犯罪や交通違反が多い方も帰化できない場合もあります。
よく当事務所にもご質問をいただく内容として年収や貯金については、在留資格『永住者』の許可程は厳しくありませんが、家族全員でしっかりと生活できるほどの年収が無ければなりません。これに関しては、生活水準によるため明確な金額はありません。もし、気になる方は当事務所にご相談にいらっしゃってください。
そして、実はよく見落としがちなのが「①居住要件」です。長期出張や規制などで日本を【連続して3ヶ月】や【年間の半分】出国している場合は、日本に住所があっても要件を満たさない場合があります。

まずは、家族で1人この要件をしっかりと満たす必要があります。

本体者の配偶者(妻・夫)

本体者の夫や妻などの配偶者は、申請時点では要件を満たしていなくても、本体者が日本人になることで要件は「日本人の妻や夫」という扱いになります。この場合に必要な要件は以下の通りです。

配偶者が満たす必要がある要件

①前提となる要件
・日本人の配偶者(妻・夫)であって、引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に住所を有する者
・日本人の配偶者(妻・夫)であって、婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する者

上記のどちらかを満たす必要があります。

素行要件:素行が善良であること(税金や年金をきちんと収めて、交通違反や犯罪をおかしていないこと等)
生計要件:本人又は生計を一にする配偶者やその他の親族の資産や仕事によって安定して生活を送れること
喪失要件:日本国籍取得によって、母国の国籍を失えることができること。もしくは無国籍者
思想関係:日本政府を攻撃するような思想を持っていたり団体に属していないこと
日本語能力:日本で生活する程度で困らない以上の日本語能力があること

配偶者(妻・夫)の場合、②の生計要件は世帯で考えれば問題ありません。そのため【本体者】によって生計が維持されていることが説明できれば十分です。
また、妻の場合で注意が必要なこととしては、出産を母国でした場合など直近で日本を【連続して3ヶ月】や【年間の半分】出国している場合は帰化申請は許可されません。この場合は、しばらく日本にいてから申請することになります。

来日歴の浅い配偶者(妻・夫)の場合で特に注意が必要なのが日本語能力です。必要なレベルは小学校3年生レベル、また話すだけでなく読み書きもできなければなりません。漢字も小学校1,2年生レベルは【書ける・読める】必要があります。場合によっては面接の際に日本語のテストを行う場合もあるため、自信が無い方は、練習をするようにしましょう。

本体者の子ども

実子の場合

実子の場合で満たすべき要件は以下の通りです。

実子が満たす必要がある要件

①前提となる要件:日本人の子(養子を除く)で日本に住所を有する者
素行要件:素行が善良であること(税金や年金をきちんと収めて、交通違反や犯罪をおかしていないこと等)
喪失要件:日本国籍取得によって、母国の国籍を失えることができること。もしくは無国籍者
思想関係:日本政府を攻撃するような思想を持っていたり団体に属していないこと
日本語能力:日本で生活する程度で困らない以上の日本語能力があること

「子ども」と言っても年齢制限があるわけではありませんので、成人している場合などには年金の支払いや犯罪などの②素行要件は確認されます。
一方、未就学児などは年齢次第では日本語能力は問われません。

養子の場合

養子の場合で満たすべき要件は以下の通りです。

養子が満たす必要がある要件

①前提となる要件:日本人の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ縁組の時に未成年であった者
素行要件:素行が善良であること(税金や年金をきちんと収めて、交通違反や犯罪をおかしていないこと等)
喪失要件:日本国籍取得によって、母国の国籍を失えることができること。もしくは無国籍者
思想関係:日本政府を攻撃するような思想を持っていたり団体に属していないこと
日本語能力:日本で生活する程度で困らない以上の日本語能力があること

日本人との養子関係が法的に継続していることが条件です。成人後に養子縁組をした場合はこの要件には該当しません。
これに該当する主な例として、兄弟の子どもを養子に迎い入れる場合や、外国籍の方と結婚しその(未成年の)連れ子と養子縁組するようなケースが該当します。
※2022年4月1日より成年は18歳に引き下がります。

まだ母国にいる子ども

母国に子どもがいる場合はすぐには帰化申請はできません。まずは日本に呼び寄せる必要があります。日本人になるということは、今後日本に生活基盤を置くことを意味しています(法務局の審査もこの点をしっかり確認します)。この点を考えると、在留資格を取得し日本に入国し、学校や仕事などに馴染んでから帰化申請をすることが望ましいと思います。小さい子供であればまだしも、成人したてで初めての来日ですぐに帰化をすることは現実的ではありません(「申請が受理される」=「必ず許可される」ということではないことに注意が必要です)。

本体者の親

本体者の親の場合は、親(本人)が【元日本人】や【10年以上日本に住んでいる】などの日本での生活が長い場合を除き、【本体者】と同様の普通帰化の要件を満たす必要があります。

どの要件もすでに日本に滞在していることが前提になります。現状、親を呼び寄せるための在留資格は条件が限定されており基本的には日本で働いている場合や、既に「永住者」の在留資格を持っているなどの必要があります。

本体者の兄弟姉妹

本体者の親の場合は、兄弟姉妹(本人)が【元日本人】や【10年以上日本に住んでいる】などの日本での生活が長い場合を除き、【本体者】と同様の普通帰化の要件を満たす必要があります。

兄弟姉妹の場合は、兄弟姉妹の身分を理由に日本に呼べる在留資格はありません(無いわけではないですがかなり限定的です)。このため、ご自身の力で日本に入国する必要があります。例えば、日本で働くなど生活の拠点を日本に移すことが前提です。

家族全員で帰化申請するメリット/デメリット

以上の通り、帰化申請を家族全員で行う場合、本体者が日本人になるのを待たなくても(同時に申請しても)、本体者が許可されることで家族の要件は緩和されます。これは、同時に申請をしなくても変わりませんが、「同時」に帰化申請をすることでメリットもあります。
帰化申請は、何度も法務局に通う必要があり時間が取られます。また、集める書類も多くなりますが、家族全員で申請することで一部の書類は共有することができます。例えば家族の戸籍簿などについては1通で十分です。また、子どもが3人いてそれぞれが分かれて帰化申請する場合は、1人ずつ「両親の結婚証明書」が必要になりますが、こういった書類も家族で1通で問題ありません。

15歳未満の子どもの場合、「動機書」「履歴書」「宣誓書」は提出が不要になります。もちろん大人になってから自分の意志で帰化するのでよいと思いますが、15歳未満の方の場合こういったメリットもあります。

まとめ

以上、家族で帰化申請をする場合について説明致ました。
家族の中でも、帰化の要件が緩和される場合とそうでない場合があります。また、配偶者なのか子どもなのかで満たすべき要件がさらに異なってきます。1人1人要件が異なってくる場合もあるため、確実に確認する必要があります。

【行政書士からのアドバイス】
家族で申請する場合、一つポイントになってくるのが「生計が維持できているか」ということが挙げられます。「貯金はあったほうがよいのか」「資産はあったほうがよいのか」気になる部分かと思います。そんな時は当事務所にお気軽にご相談下さい。

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