特別永住者の帰化申請について

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tokubetsueiju

日本で生まれ育った方で特別永住者の方の中には、帰化申請を検討される方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。人生の転機に合わせて申請される方も多くいますが、特別永住者であったとしても帰化申請は許可を得るまでに時間がかかります。本編では、特別永住者の方の帰化申請について解説致します。

“特別永住者”とは

まずそもそも特別永住者とは、第二次世界大戦中に韓国、朝鮮、台湾の方々を歴史的背景による「日本国民」としていた方々で、戦後のサンフランシスコ平和条約締結後に日本国籍を離脱した後も日本に暮らし続けている方々のことです。

平和条約国籍離脱者やその子孫の在留資格については、様々な変遷をたどりましたが1991年「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」が制定され、「特別永住者」として日本に在留することとなりました。

「特別永住者」は、「平和条約国籍離脱者」または「平和条約国籍離脱者の子孫」であり、かつ「日本で出生している」に人が該当します。
同じ「平和条約国籍離脱者の子孫」であっても朝鮮半島や台湾で出生した人は該当しません。

「特別永住者」の人は、他の在留資格と違い出生後60日以内に市区町村の役所で「特別永住許可申請」を行います。

また、「特別永住者」の方は在留カードの携帯義務もなく、通称名を使用して生活していることも多く、言われなければ外国籍ということに気づかないことも普通です。

特別永住者の場合、要件が緩和されると聞いたけれど・・・

特別永住者の方の帰化の要件

特別永住者の方の帰化の要件が緩和される根拠は、国籍法第6条にあります。

第六条 次の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が前条第一項第一号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

 一 日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの
 二 日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの
 三 引き続き十年以上日本に居所を有する者

国籍法 第六条

先ほども説明したように、「特別永住者」の方は日本で出生している方になります。そのため、日本国籍を取得するための大枠となる要件を満たしていることになります。
ただし、帰化申請は上記のポイントだけではなく他にも満たすべきポイントや要件があります。

許可を得るために抑えるべきポイントとは

ポイント1 20歳以上で本国法によって能力を有すること

20歳以上であればOKです。また同時に、母国の法律でも成年に達していることを意味します。
民法改正によって「成人」が20歳から18歳に引き下げられますが、国籍法は「20歳」と定めているので関係ありません。

ポイント2 素行が善良であること

年金税金きちんと払っていますか?
日本の法律では、外国人も払わないといけないと定められています。会社勤めの方は、厚生年金・所得税・住民税は、お給料から天引きされているはずです。主婦(夫)でパートナーの扶養に入っている場合は、パートナーの給料明細を確認しましょう。日本人配偶者の方は、アルバイトやパートの週28時間の就労制限はありませんが、お給料が「扶養に入ることができる金額」をオーバーしているようですとそれは脱税になりますから注意して下さい。
経営者の方は、会社の税金が納めているかもチェックされます。

交通事故犯罪は起こしていませんか?
軽微な違反は回数が少なければ大丈夫です。犯罪は不起訴処分に終われば問題ないですが、罰金刑の場合はしばらく時間を経過しないと申請できません。

ポイント3 お金の面で生活に心配がない

安定した生活を送れている必要があります
年収が家族構成に見合っていないほど少なかったり、返済できないほどのキャッシュローンがあったりすると、「安定している生活を送っている」とは言えません。自己破産したばかりも厳しいです。逆に、貯金がたくさんあったり(なくても大丈夫です)、不動産等の資産があると審査官へアピールするポイントになります。
経営者の方は会社の経営状態もみられます。
一時的に業績が悪化していたり、新設会社の場合は事業計画書や専門家の意見を添えて、生活に問題がないことを積極的にアピールする必要があります。

ポイント4 日本国籍の取得によって、母国の国籍を離脱できる

日本は二重国籍については認めておらず、日本国籍を取得すれば外国籍を離脱しなければなりません。韓国籍、朝鮮籍、台湾籍の方は国籍の離脱は可能ですので問題ありません。

ポイント5 テロリストや反社会的勢力ではない

日本政府に対して、暴力や危険な思想を主張するような団体に結成したり加入したことのある人は帰化できません。例えば、テロリストや反社会的勢力が該当します。

ポイント6 日本語能力に問題がない

よく言われるのが、小学校3年生程度の日本語能力を有していれば問題ないと言います。
日本語能力は、申請受理後の面談で確認されます。スムーズにお話しできる方は問題ありませんが、必要なレベルに達していないことを疑われた場合、簡単な読み書きのテストを実施することもあります。
これも日本で生まれ育った方であれば、特段問題はないはずです

ポイント7 海外滞在が多めの方は注意

基本的に帰化後は日本に定住することが望まれています。そのため、海外出張が多い方はそもそも海外に生活拠点がある方は、簡易帰化(国籍法6条)を満たしていて、上記の①~⑥に該当していたとしても不許可になる可能性があります。直近で海外に長く行かれていた方は、日本に戻ってしばらくしてから帰化申請することをお勧めします。

特別永住者の方の必要書類について

必要な書類には自分で記入をする書類日本で収集する書類外国で収集する書類があります。内容としては、資産や収入を証明する書国籍や身分を証明する書類に分類できます。いずれも1〜2通必要です。(原本のものは1通、自分で作成する書類は2通提出します。)
また、特別永住者の方であったとしても必要書類が大幅に減ったり免除になるわけではないので、面倒でもきっちり集めましょう。

以下は、一般的な書類の一例になります。在留状況によって必要な書類は変わってくるため、「書類が足りない」と言われることもあるので参考程度にして下さい。

自分で作成する書類について

自分で作成する書類は以下になります。特に履歴書や動機書の作成は時間もかかりますし、頭を悩ませるのではないでしょうか。

作成する書類について
  • 帰化許可申請書
  • 親族の概要
  • 履歴書(その1)(その2)
  • 帰化の動機書 ※特別永住者の方は基本的には不要です
  • 整形の概要(その1)(その2)
  • 事業の概要(会社を経営されている人)
  • 居宅附近の略図等(3年分)
  • 勤務先附近の略図等(3年分)
  • 申述書(主に両親が作成)

動機書の書き方については、以下の記事を参考にしてみてください。

日本で集める書類について

日本で集める書類は、資産や収入を証明する書類が中心となってきます。また、日本で取得する身分関係の書類も一部あります。
これは会社員をされている方とそうでない方でも大きく書類が変わってきます。加えて、家族に日本人がいる場合は、その方に関する書類を提出することになります。

書類の名前取得場所
パスポートのコピー(出入国履歴があるページ全て)
在留カードのコピー(表・裏)
住民票の写し(世帯全員分)お住まいの市区町村の役所
在勤・給与証明書 / 在学証明書勤務先 / 学校
源泉徴収票勤務先
源泉徴収簿の写し勤務先
源泉徴収税の納付書及び領収書の写し勤務先
確定申告書の写し(対象者)(税務署)
最新年度の住民税の納税証明書(1年分)お住まいの市区町村の役所
最新年度の住民税の課税証明書(1年分)お住まいの市区町村の役所
厚生年金保険料納入告知額・領収済額通知書
又は社会保険料納入確認書(1年分) / 国民年金記録の写し
年金事務所
運転記録証明書(過去5年分)自動車安全運転センター
自動車運転免許証の写し(表・裏)
卒業証書の写し・卒業証明書学校
土地・家屋登記事項証明書、賃貸借契約書の写し
預貯金通帳の写し
・日本の戸籍謄本 ※1
・戸籍届出書記載事項証明書 ※2
(※家族に日本人がいる場合、状態によって必要な書類が変わってきます)
本籍地の市町村役場

※1 父母や子供、兄弟、配偶者(婚約者)等の家族に日本人がいる場合は、その人の戸籍謄本が必要です。よう父母や内縁・前配偶者、元日本人の方も含みます。
※2 出生届、死亡届、婚姻届、離婚届、その他(養子縁組、認知届、親権を証明する書面・裁判書)で該当するものがあれば準備をします。

母国で集める書類について

母国で取得する書類は、国籍や身分を証明する書類です。国によって取得する書類が変わってきます。下記の書類は、全て日本語訳が必要です。翻訳は誰がしても大丈夫ですが、翻訳者の住所・氏名及び翻訳年月日の記載は必要です。

書類の種類取得場所
国籍証明書本国
・本国の戸籍謄本(父母及び配偶者の父母の記載があるものが必要)
・出生証明書(本人・兄弟・父母) ※国によって異なります
本国
結婚・婚姻証明書(本人・父母)本国

帰化申請をすることをまわりに知られたくない場合

特別永住者の方の中には、ご自身が日本国籍でないことを知られたくないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方は、帰化の相談時に相談員の方にまずそのことを相談しましょう。
提出する書類の中には、会社に提出を協力しなければならない書類もあり、帰化申請特有の書類があります。例えば、「在勤及び給与証明書」のフォーマットは帰化申請書類の独特のフォーマットです。この書類を会社に依頼することに抵抗のある方については、提出が不要です。代わりに、会社の給与明細書(直近1ヶ月分)社員証の写しを提出すればよいことになっています。

また、架電調査が万が一入る場合であっても、普段使用している「通称名」を告げておけば(これは申請時に記入する欄があります)調査時に配慮してもらえるはずです。

心配な方は法務局の相談時に事前に相談しておきましょう。

また、まわりにバレることなくスムーズに申請したいお考えが強い方は、帰化専門の行政書士に依頼することをお勧めいたします。法務局に行く回数がかなり減るだけではなく(場合によっては1回も可能)、収集書類のアドバイスも得られるため、ご自身1人で申請されるよりも負担はかなり減ります。是非、検討してみてください。

まとめ

以上、特別永住者の方の帰化申請について説明しました。
特別永住者の方の帰化申請は国籍法第6条に該当し、一定の要件が「普通帰化」よりも緩和されます。しかし、例え日本で生まれ育って日本語しか話せないとしても、申請手続き自体が楽になるわけではありません。しっかり準備をして臨みましょう。

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