初めまして。ネクステップ行政書士事務所・行政書士の大久保(おおくぼ)です。
近年、日本での生活が長い外国籍の方が増え、帰化申請(日本国籍の取得)を検討される方が増えてきています。「帰化許可申請」は在留資格(ビザ)とは異なり、法務局で申請を行います。本日は、帰化許可申請の流れについて解説したいと思います。
帰化申請の流れについて
- 早く日本人になりたいのですが、今申請したらいつなれますか?
- 帰化申請に必要な書類はどのくらいありますか?
- 不許可になることはありますか?
これらは、帰化をご検討されている方からよく寄せられる質問です。
帰化申請は多くの方が人生のターニングポイントで検討されるため、「いつ日本人になれる?」というところは気になりますよね。
帰化申請は、準備から許可(帰化)までだいたい1年~1年半かかると思ってください。
「え、そんなにかかるの!?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。まずは、帰化申請の流れについてこちらの図をご覧ください。
帰化申請で時間がかかるフェーズは2つあります。一つ目は「書類収集・書類作成」、二つ目は「審査期間」です。
書類を集める前に、あなたが「帰化の要件を満たしているか・帰化が許可される見込みのある方かどうか」を見極める必要があります。そして、大丈夫そうであれば書類を集めることになります。
実は、必要書類については法務局のHPでどこにも公表されていません。これはその人に合わせて提出する書類が変わってくるからです。
例えば、国籍や家族構成、現在の在留資格は何か、来日して以降の生活や資産などによっても書類は変わります。人生の数だけ集める書類のパターンが異なると言っても過言ではありません。まずは、「必要な書類を知る」必要があります。
「帰化の要件を満たしているか・帰化が許可される見込みのある方かどうかの見極め」・「必要な書類リストをもらう」ために、「帰化申請を取り扱っている法務局」に相談に行くところから帰化許可申請は始まります。
法務局に相談に行くと、「帰化許可申請の手引き」をもらいます。帰化申請に必要な書類のリストとこの手引きを見ながら、帰化申請の準備を行います。
準備が出来たら法務局で確認を行ってもらい、書類に不備がないことが確認できたらようやく申請をすることになります。
帰化申請の場合、申請までに何度も法務局に通う必要があります。
(ご自身のみで申請される場合)非漢字圏ご出身の方で4~5回、漢字圏のご出身の方で3~4回程度通われる傾向があります。法務局は平日の日中しか空いておりません。
驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
でも大丈夫です。しっかりポイントを押さえて準備をすればもっと少ない回数で申請することができます。
動画でも解説しております。
是非、ご覧下さい!!
(5分程度の内容です)
帰化申請をスムーズにするための大事なポイント
いち早く帰化申請をするための大事なポイントとしては、「抜け漏れなく書類の準備を行うこと」「帰化申請にとってベストなタイミングで申請をすること」そして最も大事なことは「帰化をすると決めたら一気に準備をすること」です。
帰化を許可してもらうためには要件を満たしていなければなりませんが、その状態が維持されていることが必要になります。
人生のターニングポイント(例えば「転職」「起業」「結婚・離婚」)によっては、今まで満たしていたのに要件を満たさなくなる、ということはよくあることです。帰化申請での一番の時間のロスは「不許可」ということを考えると、確実に帰化をするためには生活が落ち着いている時(=「帰化申請にとってベストなタイミング」)に申請をするべきです。
また、帰化申請の際にはたくさんの書類を作成し、また集めなければなりません。途中で心が折れてしまわれる方も一定数いらっしゃるのも事実です…
「普通帰化」の要件についても動画で解説しています。
もしよろしければこちらもご覧ください!
(9分程度の内容です)
申請ができたら
申請が無事にできるとほっとしがちですが、まだまだ気を抜くことはできません!
申請から3~4か月後に法務局で面談を行います。ここでは日本に来たきっかけや現在の生活について、また、どうして帰化をしたいのかなどを聞かれることになります。また、日本語能力についても審査をされ、場合によってはテストを行います。
そしてもちろん、審査期間中に年金を滞納したり、長期出国するなどをして帰化の要件を満たさなくなると、不許可になる場合もあるので注意が必要です。
結果(許可の場合)は官報に掲載されます。そしてその日から日本人です!日本人になったら、在留カードの返却や氏名変更のための手続きを行います。
帰化申請は、準備から結果が出るまで、また日本人としての生活が落ち着くまで長い時間がかかります。人生の重大な決断ですので、大仕事になることには違いありませんね。
最後に
あなたは国籍を変えるという人生の中でもTOP3に入るような重大な決断をされようとしています。日本では重国籍を認めていないため、日本国籍になるということは母国の国籍を失うことになります。
不安なことも多いのではないでしょうか。帰化申請は焦って行う申請ではありません。じっくりとご自身の気持ちに耳を傾けて決断をされることを強くお勧めします。