【質問⑧】「生計要件」とは何ですか?具体的にどのくらいの月収があればよいですか?

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「生計要件」とはどのような要件でしょうか?具体的にどのくらいの月収があればよいですか?
生計要件とは、「本人又は生計を一にする配偶者やその他の親族の資産や仕事によって安定して生活を送れること」になります。世帯の構成によって必要な月収は変わってきますので一概には回答は難しいです。

上記の質問について詳しく解説します。

帰化するために必要な要件の1つである「生計要件」とは

帰化申請の際に、審査される大きなポイントは7つあります。そのうちの一つに「生計要件」というものがあり、安定した生活を送れているかについては重要な審査ポイントになります。

そもそも、帰化申請で必要な要件とは?

普通帰化の要件
住居要件:継続して5年以上日本に住所があること
能力要件:18歳以上で本国法によって能力を有すること
素行要件:素行が善良であること(税金や年金をきちんと収めて、交通違反や犯罪をおかしていないこと等)
生計要件本人又は生計を一にする配偶者やその他の親族の資産や仕事によって安定して生活を送れること
喪失要件:日本国籍取得によって、母国の国籍を失えることができること。もしくは無国籍者
思想関係:日本政府を攻撃するような思想を持っていたり団体に属していないこと
日本語能力:日本で生活する程度で困らない以上の日本語能力があること

帰化申請に求められる要件のうち、生計要件において「本人又は生計を一にする配偶者やその他の親族の資産や仕事によって安定して生活を送れること」とされています。法律の条文では「年収」や「貯金」で必要な額については定めておりませんが、安定した生活」を送れていることが許可の一つのポイントとしています。

具体的にどのくらいの給料があれば「安定した生活」といえるの?

「安定した生活」というものは、同一世帯の収入で生活できていれば問題ありません。例えば、妻・夫の扶養を受けている場合、夫婦そろって働いて世帯収入を支えている場合、子の扶養を受けている場合、「世帯」で収入があり、「世帯」で生活が成り立っていることが最低条件になります。

安定した生活とは

よく帰化申請において、「年収はどのくらい無いと許可されませんか」と聞かれることがあります。実際のところ、これに対して明確な返答はできません。これは、先ほども説明した「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること。」ということに関係してきます。

帰化申請においては、現在及び将来に渡って、公共の負担になることなく安定した生活が送れるかを判断されます。
そして、見られているのは「家計」であって「その人自身の収入」のみだけで判断されるわけではありません。
もちろん、その人自身に収入がなくても夫や妻の収入だけでも十分に生活できているのであれば問題ありません。
「安定した生活」ということを考えると、転職を重ねていたり転職したばかりで一時的に収入が落ちている場合は注意が必要です。

2022年4月より、生計要件は厳しくなりました。
金額は明示されておりませんが、「安定した生活を送れる年収基準」が厳しくなっております。家族構成、扶養者の人数(国内だけでなく海外も含め)、その他の資産の保有状況にもよるため一概には言えませんが、今までの基準よりも一段階厳しくなったと言えます。(これは参考程度の情報にはなりますが、家族3人家族で世帯年収400万円は一つの目安になります。)

資産について

「貯金や資産はどのくらい無いと許可されませんか?」
こちらもよく受ける質問の一つですが、貯金・家・自動車等の資産は「あるに越したことはない」程度です。無いからといって帰化申請が不利になることはないようです。

ただし、貯金に関しては「一時的な収入ダウン」を見越して「計画的に貯めていた」のであれば、「その時は収入が低くても、生活は安定している」と見てもらえる要素になることもあります。逆に、収入が収入が低いのをごまかすために、申請の時だけ一時的にお金を借りて貯金を水増しするような「見せ金」は、むしろ逆効果なのでやめましょう。

ローンがある場合は?

不動産や自動車等の資産を購入した場合のローンは、返済が滞っていなければ問題ないです。キャッシュローンがある場合も返済が滞っていなければ問題ないです。現在は収入が十分にあったとしても「自己破産」している場合は、自己破産直後は申請が受理されないので注意してください。審査期間中の自己破産も不許可の原因になるでしょう。

このケースは「生計要件を満たしている」と言える?

「生計要件」について、よくいただく質問や注意しなければならない点をまとめました。

被扶養者であり、自分自身は収入がない場合

夫や妻が働いていて、申請人本人は扶養を受けている場合や扶養の範囲内で働いている場合にも、扶養者に十分な収入があり、世帯で生活が安定している場合は要件を満たしていると言える場合があります。同様に、子の扶養を受けている場合も同じことが言えます。

ただし、注意をしなければならないのは、年金や税金の支払いは同居者全員が確認の対象になります。未納がある状態で扶養を受けている、申請人だけ帰化申請に必要な年金や税金の支払いをしている、と言うことはよい状態とは言えません。

海外にいる親族を扶養している場合

海外にいる親族等を扶養に入れて仕送りをしている場合は、その人数に応じて求められる世帯年収の基準は上がるため注意が必要です。また、親族に海外送金をしている場合はその記録も提出します。親族を扶養に入れる方は、扶養控除が目的の場合も多いかと思いますが、「扶養控除」に入れるのであれば海外送金も基準以上に行わなければならないですし、その分求められる世帯年収の基準も上がることになるのは仕方の無いことになります。

▶扶養控除の基準が厳しくなりました:国税庁「国外居住親族に係る扶養控除等の適用について

海外にいる親族から仕送りをしてもらっている場合

これはケースバイケースになるかと思います。
そもそも、「本人又は生計を一にする配偶者やその他の親族の資産や仕事によって安定して生活を送れること」というのが、海外在住の親族が「同一世帯」と言えるのかどうなのか、という話しですが、自力で生活ができていない場合は厳しい印象を受けます。

一方、海外にいる親族が自身の税金対策のために、“お小遣い”を受け取ったり、又は生前贈与などの考えで送金を受ける場合は、それ以外の自分の収入でしっかりと生計を維持できているのであれば問題ないかと思います。ただし、送金を受けている場合で、課税の対象となるものの場合はきちんと申告をして納税をする必要があります。

生計要件が免除される場合もある

国籍法8条に該当する方はこの「生計要件」は免除されます。日本人の実子・養子であったり、以前に日本人であった人が該当しますが、この場合は、帰化の要件のなかでも「生計要件」は免除されます。

第八条 次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
 一 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの
 二 日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの
 三 日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの
 四 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの

国籍法 第八条

上記のように、日本人の実子・養子であったり、以前に日本人であった人で日本に住んでいる人の場合は、普通帰化と比較して一部要件が緩和される可能性があります。

まとめ

以上、「生計要件」について解説しました。
生計要件とは、「本人又は生計を一にする配偶者やその他の親族の資産や仕事によって安定して生活を送れること」になります。世帯の構成によって必要な月収は変わってきますので一概には回答は難しいところはありますが、最低限、同一世帯の家族の収入によって、不自由なく生活できている状態にあることが必要です。そのうえで、法務局内部にある基準の年収(公に開示されていない)を満たす必要がありますが、一つの目安で家族4人で400万円を参考にしてください。

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