経営者や会社役員が帰化申請の際に注意する4つのポイントは?

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会社の社長や役員、個人事業主の場合「帰化申請は難しい」とよく言われます。会社員の方と比較すると用意する書類が多くなり、見られるポイントも多くなります。特に、「生活が安定している」という部分については会社の経営状態によります。生活を支えている会社が納税や社会保険をきちんと収めているか、また法令順守をしているかは必ず審査されます。今回は経営者や個人事業主の方の帰化申請が難しいと言われる理由について、ご説明いたします。

経営者や個人事業主の方の帰化申請が難しいと言われる理由

経営者や個人事業主の方の帰化申請が難しいと言われる理由を、帰化申請が許可されるために必要な要件の面から確認してみましょう。帰化申請で審査される主なポイントは以下の7つです。

帰化申請の7つのポイント
  1. 引き続き5年以上日本に住所を有すること
  2. 18歳以上で本国法によって能力を有すること
  3. 素行が善良であること
  4. お金の面で生活に心配がないこと
  5. 日本国籍の取得によって、母国の国籍を離脱できること
  6. テロリストや反社会的勢力ではない
  7. 日本語能力に問題が無いこと

帰化申請の審査では、上記の7ポイントについて見られますが、経営者や個人事業主の方で特に審査を複雑にしているのが「③素行が善良であること」、「④お金の面で生活に心配がないこと」が該当します。
③④では、安定した収入、税金や年金に滞納が無い、日本の法律をきちんと守っているか等、ビジネスの面から審査されることになります。

会社の経営状態で【特に】チェックされる4つのポイント

安定した収入、税金や年金に滞納が無い、日本の法律をきちんと守っている、という点についての審査は個人のことだけではなく、運営している会社(=収入源)についても審査をします。具体的には、会社がきちんと納税しているか、社会保険に加入しているか、法令順守をしているか、また、経営が安定しているかを審査をします。

社会保険について

日本では法人の場合は、例え社長1人の会社であったとしても、従業員が全員外国人であったとしても「社会保険」に加入しなければなりません。社会保険は「健康保険」と「厚生年金」のことです。会社設立以降も、「国民健康保険」と「国民年金」に加入していたとしても、その状態が法令違反の状態であるためダメです1人会社でも社会保険は加入義務があるため注意が必要です。
一方で、個人事業主の方は「国民年金」「国民健康保険」への加入でも問題ありません。もし滞納している場合は、しっかり支払っておきましょう。

基本的には1年分の納付が確認できれば問題ありませんが、審査官が支払いについて疑義を抱いたを感じた場合は直近2年分の納付書の提示を求められる場合もあります。

納税について

個人として納めなければならない税金は、主に住民税所得税です。
納付書の提出の必要がある税金は、法人税、法人事業税、法人住民税、消費税です。税金に関しては、過去3年分の納税証明書を提出します。その他、日本の法律で定められている税金は基本的に納付義務があり、納付していない場合は脱税になるので注意してください。

ちなみに、複数社の経営を行っている場合は、すべての企業で税金の滞納があってはなりません。不安な要素がある方は、早めに専門家の指示を仰いで解消しておきましょう。

完納が基本で、未納がある場合は今からでもしっかり納めるようにして下さい。

事業がうまくいっていない場合

過去の決算書から財務状況を確認されます。黒字で、キャッシュフローも問題なく、債務超過に陥っておらず、経営が安定していれば問題ないです。

赤字でも、理由が明確で今後の見通しである場合は問題ないと思います。大幅な赤字の場合は、会計士や中小企業診断士等の第三者の客観的な視点での説明書を準備したほうがよいでしょう。
また、会社を黒字にするために「役員報酬」を極端に低くしていると「生活が安定している」とは言えないと判断される場合があります。

法令順守のポイント

当然ですが無免許の営業をしていては「法令順守」の状態とは言えません。許認可が必要な営業をしている場合は、その証明書を提出する必要があります。
代表的なものとして「古物商」「民泊」「宿泊業」「飲食業営業」などがあります。

経営者の人が必要な書類 ~税金・生活要件編~

個人の場合は、納税の状況や収入の状況を証明するために、「住民税の課税・納税証明書」「源泉徴収票」「給与明細」「通帳のコピー」など非常にシンプルでしたが、経営者の場合に必要になる資料はかなり増えます。
以下は、必要になる書類の一例です。

必要になる会社の書類(税金・生活要件)
・決算書(直近2~3年分)
・法人税の納税証明書(同上)
・法人事業税の納税証明書(同上)
・法人市県民税の納税証明書(同上)
・消費税の納税証明 書( 同上)
・源泉徴収簿(同上)
・源泉納付書(同上)
・社会保険の領収書(2年分)
・住民税の課税・納税証明書(1年分)
・許認可の取得証明書
・営業許可証 等
必要になる個人の書類(税金・生活要件)
・課税・納税証明書
・源泉徴収票(自分の分)
・確定申告書 等
・通帳のコピー・残高証明書

※あくまで一例です。
※上記は、税金・生活要件の分のみです。

経営者、会社役員、個人事業主の場合は、会社の状況に合わせて必要な書類も変わってくるため、事前に法務局か帰化の専門家に何が必要かをしっかりと確認しておく必要があります。
また、上記は収入についてや納税状況について証明する分だけであり、上記以外にも母国の書類(自分自身についてを証明する書類)や、日本での住所についての書類、その他にも必要な書類が多数あります。

ただでさえ、帰化申請に必要になる書類は複雑ですが、会社の経営者や個人事業主の方の帰化申請で必要になる書類はさらに複雑になります。

まとめ

以上、会社を経営されている方、個人事業主の方の帰化申請について解説致しました。
この様な方は自分自身のことだけでなく、会社についても「納税」・「社会保険」・「経営状態」・「法令順守」をクリアしていなければなりません。審査されるポイントや提出する書類についてもかなり複雑になることが理由で、帰化申請が難しいと言われています。

【行政書士からのアドバイス】
経営者・個人事業主の方の帰化申請は抑えるべきポイントや集める書類が多くなっています。当事務所では帰化申請のサポートを行っております。お気軽にお問合せ下さい。

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