日本人への帰化を考えている場合、「いつから日本人なのか」と気になりますよね。帰化申請の審査期間は1年近くあり、結果が非常に待ち遠しいと思います。本編では、帰化までの流れと日本人になるポイントについてご説明いたします。
帰化までの流れ
「帰化をしよう!」と思ったら、まず法務局に相談にいきます。法務省HPのページを見ても非常にシンプルで、何をどうしたらいいかは一切書かれていません。ちなみに、「帰化許可申請書」の見本が掲載されていますが、帰化申請の場合は「申請書」1枚提出すれば済むような話ではありません。大量の書類の準備をしなければなりません。その準備のために法務局へ相談に行くことになります。
法務局は、お住まいのエリアを管轄するところにいきます。帰化の希望者はかなり多く、都市部の法務局は予約を取るのに1〜2ヶ月かかることもあります。
法務局では、まずあなたが帰化の要件を満たしているかのヒアリングを行い、集めなければならない書類を教えてもらえます。
そして、「集めてから、再度予約をとって再度来てください」と言われることになります。
収集と相談のやり取りで、まず時間を取られます。自分で申請する場合は2、3回で終わることも少なく、長い人では1年がかりという方もいます。急いでいる場合には、専門家に相談された方がよいでしょう。
書類の準備が完了し、申請が受理されると審査期間に入ります。
申請後、3〜4ヶ月程度で面接の連絡があります。また、追加書類の連絡がある場合もあります。審査中はこれらの対応をします。
追加書類で対応されない方が時々いらっしゃいますが、全く対応しない場合は不許可の可能性が高くなってしまうので、何かしら対応しましょう。
審査期間は、申請からだいたい1年程度です。
なぜこんなに長いかというと、申請中もあなたの日本での生活振りをチェックするためです。申請をして油断して年金や税金の滞納があったり、長期で出国をすると不許可になるので注意してください。
官報に載った時点で「日本人」になります
帰化すると「官報」に掲載され「日本人」となります。
第十条 法務大臣は、帰化を許可したときは、官報にその旨を告示しなければならない。
国籍法 第10条
2 帰化は、前項の告示の日から効力を生ずる。
官報は官報販売所や政府の刊行物センターで購入が可能です。また、インターネットで確認することもできます。(インターネット版官報)
晴れてこの日から日本人です!
その後、法務局から呼び出しをされて「帰化者の身分証明書」が交付されます。
この後は帰化後の手続きが続きます。
帰化を思い立ってから、実際に日本人に慣れるまでどんなに早くて1年はかかります。
中には生活のライフスタイルの変化に合わせて帰化をお考えの方もいらっしゃると思います。計画的に進めるようにしてください。
申請中で申請結果が待ち遠しい方へ
帰化申請は申請してから結果が出るまで1年近くかかります。
改めて、申請後の審査期間中の注意点を確認してみましょう。
ご説明した通り、帰化申請後も気を緩めずに真面目な在留をし続ける必要があります。特に、以下の点には注意が必要です。
a
- 税金は滞納せずにきちんと払う
- 年金は引き続ききちんと払う
- 交通違反は起こさないようにする(心配な方は極力運転しないようにしましょう)
- 犯罪は犯さない
- 大幅に年収が下がる可能性がある転職はしない(転職しないほうが無難です)
- 貯金を食いつぶすような浪費はしない(貯金が生活源である方は特に)
- 経営者や個人事業主の方で節税対策しすぎない(帰化申請では“脱税”とみなされる場合があります)
- 長期の出張や帰省等で日本からの出国期間をしない(連続で90日以上は絶対NG)
- 法務局の指示通り、生活に変更があった場合はきちんと届け出をしましょう。
※太文字は特に注意してください。
上記の内容は、審査期間中の過ごし方の注意点です。逆を言えば、上記の注意点の反対のことをすると不許可になる可能性が格段に高くなります。申請時点に要件を全て満たしていればよいわけではなく、許可が出るまで(許可が出た後も当然)適切に生活していることが求められます。「申請後〜結果が出るまで」は審査期間だということを決して忘れないでください。
また、申請中に法務局から「追加書類」を求められたら、必ず提出をして下さい。「追加書類」のお知らせが届くと驚き、「不許可ではないか」と余計に心配になられる方もおりますが、きちんと期日内に聞かれたことに対して回答をすれば問題ありません。
まとめ
以上、帰化申請後のいつから「日本人」になれるかのポイントを解説致しました。
帰化許可申請は、大変無労力と長い時間が必要です。「官報」に掲載されたら晴れて日本人になることができます。